災害拠点病院としての役割
災害時に地域の災害医療の拠点となって多数の傷病者を受け入れることが出来るよう、耐震性の確保や医薬品の備蓄、自家発電装置といった「災害時の病院機能の維持」に向けた備えが行われており、かつ東京都知事から指定された機関が東京都災害拠点病院です。災害拠点病院は東京都内に80施設(平成29年4月現在)、全国に694施設(平成27年4月現在)が指定されています。当然ながら、当院も災害拠点病院の1つです。
2009年に竣工した当院の建物は免震構造はもちろん、最新の技術で様々な自然災害に耐えられるよう工夫がなされています。その他、災害時に受け入れられる外来患者数および入院患者数を大幅に増やすこと(概ね数倍)、そのために水や食料、自家発電の燃料、薬剤などを3日分以上備蓄すること、日本DMATを持つこと、緊急車両を有すること、近隣にヘリポートを有すること、衛星電話を備えることなどが要件とされており、自分の地域が被災した時に地域を支えるのみならず、他の地域で大規模災害が発生したときにその地域を支援したり患者の後方搬送を受け入れたりする体制を準備することも求められます。
日本DMAT・東京DMAT指定医療機関としての役割
DMATとは?
DMAT(ディーマット)とは災害医療派遣チーム(Disaster Medical Assistance Team)のことで、当院には2005年に厚生労働省によって発足した「日本DMAT」、およびそれに先駆けて2004年に発足した「東京DMAT」の両方の隊員資格所持者が存在します。
地震や水害といった傷病者が多数発生する大規模災害に対して、災害医療のスペシャリストとして現場に出動します。具体的には、平時の医療と大規模災害時の医療で大きく違うことを全て補うことを目指します。
また、全国規模の大きな災害でなくても、東京DMATは東京消防庁からの要請に応じて、都内の交通事故現場や多数傷病者発生現場といった「局所災害」に対しても出動します。
当院のDMAT隊員の在籍状況
東京DMAT(平成29年4月現在)
医師:7名
看護師:21名
ロジスティクス:10名
合計:38名
日本DMAT(平成29年8月現在)
医師:7名(うち統括DMAT6名)
看護師:6名
ロジスティクス:4名
合計:17名
日本赤十字社としての役割
日赤救護班
当院には常備救護班として24時間365日最低1隊が割り当てられています。
日本赤十字社は明治21年(1888年)福島県磐梯山噴火災害の噴火以降、1世紀以上にわたってわが国の災害医療における中心的役割を一手に担ってきました。そして被災者に医療を提供し、寄り添い、支え続けることがわが社の最重要業務であることは、『日本赤十字社法』『日本赤十字社定款』にも定められており、今もこれからも変わることはありません。
超急性期から復興期に至るまで、あらゆる形で支援ができるよう、平時から訓練や資機材整備等を日々積み重ねています。