Japanese Red Cross Medical Center Emergency and Critical Care Medicine Center

働きやすい環境づくり

組織として持続可能な救命救急センターを

救命救急センターには重症な患者が24時間365日来院します。いつホットラインの電話が鳴って重症な患者が運ばれてくるか、いつ院内の患者が急変して応援を求められるか・・・

救命救急センターは「救命のための最後の砦」として位置する以上、そこで勤務するスタッフたちにもそれなりのプレッシャーとストレスがかかります。だからこそ、適切な休養はとても重要だと私たちは考えます。

精神論ではなく、少しでも快適な職場環境を整えることにより、「持続可能な救命救急センター」を目指しています。

子育て世代を応援!

子育て中に絶対回避不可能な「保育園・学校等で発生する子どもの病気・ケガ」があります。救急診療の中でも一定頻度で遭遇する出来事ですが、救急医の子ども達も例外ではありません。

勤務中に保育園から「39℃の発熱です」と連絡があったり、学校の保健室から「ケガをされて、…」という連絡があったりします。

代わりの救急医はいても、代わりのお父さん・代わりのお母さんはいません。

即時的に勤務調整をして早退あるいは遅刻可能な体制をとっています。救急科には2017年現在では常勤の女性医師はいませんが、常勤男性医師も状況は同様であり「女性にやさしい」だけでなく「男性にもやさしい」環境であり、子育て世代にやさしい職場環境です。

事例1 子どもの耳痛で出勤できない!!

夜に子ども(3歳男児)が「耳が痛い」と目を覚まし、手作り耳鏡で診察すると、中耳炎を疑わせる所見がありました。(妻も勤務のため)地元の耳鼻咽喉科外来に連れて行かなければならず、急きょ休みをもらいました。やはり中耳炎で、内服で子どもは元気になりました。

翌日は通常通り勤務できてホッとしました。自分の子どもにも救急対応できることはとっても大事なことですし、そういった環境のある職場に感謝しています。(30代救急医:2児の父)

事例2 子どもの熱発で勤務中に呼ばれた!!

勤務中に突然学校の保健室から呼ばれました。子ども(7歳男児)の学校から「39℃の熱を出した」と電話があり(妻も勤務中で)困っていたところ、保育園からもう一人の子ども(0歳女児)も「発熱した」と電話がありました。すぐに早退できることになり、お迎えに行きました。夜には真ん中の子(3歳男児)も熱を出しましたが、早期介入のおかげであっという間にみな元気になりました。

妻も同じ医療職であることもあり「母親だから職場を空けていい」ということはなく、男女関係なく育児に参加できる職場なのでとてもありがたく感じています。(30代救急医:3児の父)

労務管理とOn/Offの明確化

働く時間と休む時間を明確に分けることで、医師自身の生活の質を向上させ、同時に医療安全にも繋がるよう配慮しています。

例えば、睡眠不足が認知能力を損なうのはよく知られており、24時間覚醒していると血中アルコール濃度0.10%と同等という報告があります。(徹夜明けはビール大瓶2本飲酒後と似ていることになります。)

Taffinder NJ, et al: Effect of sleep deprivation on surgeons’ dexterity on laparoscopy simulator. Lancet. 1998 Oct 10;352(9135):1191.

医師の過重労働は医師個人のみならず患者にも不利益が及びかねな問題であり、十分な対策が必要です。

当直明けは早期に帰宅することで、勤務時間が過剰とならないように工夫しています。帰宅後や休みの日に呼び出されることはなく、(災害などの特殊例を除けば)日直や当直の担当医師が対応します。

土日・国民の祝日・年末年始(12月29日から1月3日)・日本赤十字社の創立記念日5月1日は休みとなります。夏休みも最大連続9日間とれるように工夫しています。

事例1 当直明けは大好きなスイーツと共に!

当直明けに勤務を終え病院を出たところ、気づいたら目の前にケーキがあるではありませんか!!無意識のうちに大好きなスイーツに吸い寄せられてしまったようです。おかげで、高級ホテルの季節限定ケーキを食べられました。

個数限定であり、平日日中に遅延なく到着できることは、ケーキ獲得に対し大きなメリットです。病院の立地の影響もあり、毎週のようについついケーキに吸い寄せられてしまうのが困った点です。(50代救急医)

事例2 平日日中だからこそ、スムース!

かつての職場では、なかなか対応できず困ったことでした。こちらに勤務するようになり、平日日中の方が空いている、パスポートの申請や受け取り、運転免許証の更新、振り込みがスムースにできて助かっています!ちなみに、パスポートの申請が切迫した状態だったので、労務管理調整の時間で臨機応変に午前休をもらえたので間に合いました。(30代救急医)

事例3 映画が見れる!

六本木や渋谷に映画館があるので、あっという間に到着できます。映画後にはそのままおいしいディナーを食べに行きました。リフレッシュすることで、翌日の勤務にもやる気100%で臨むことができています。(20代救急医)

 

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