災害時の医療現場において、安全を確保するためにゾーンを分けることをゾーニングと言います。

例えば、近所の国道で多重衝突事故が起こったとします。
周辺には警察によって規制線が張られ、中に入ることはできなくなると思います。これは災害用語としては「外側警戒線」と呼び、この中を警戒区域と呼びます。警戒区域内に入れるのは関係者のみであり、我々医療者も要請を受けて現場に駆け付けた場合は外側警戒線を超えて警戒区域内に入ることになるでしょう。
しかし、事故車両から救助隊が傷病者を運び出すために重機なども用いて大変な救助活動をしている消防活動区域の中に、特段の訓練も受けていない(ともすれば運動不足の)医療従事者が突入することはもはや自殺行為です。この消防活動区域は危険区域とも呼ばれ、これは「内側警戒線」で区切られています。

なお、CBRNEにおけるゾーニングは「ホットゾーン」の項で詳述しようと思います。